インフルエンザ・新型コロナなどウィルス感染症には イブ・ロキソニンはダメ!?


 

新型コロナウイルスの終息が見通せない中、第2波も心配な状況です。

つい先月、薬局に来られた患者さんから「新型コロナウィルスにイブはダメなの❓」と聞かれました。

どうやらフランスの厚生大臣が「新型コロナウィルスにイブプロフェンを推奨しない」とツイートし、この話題から質問されたようです。

現在のところ、新型コロナウィルス感染者に「イブプロフェン」などの非ステロイド性抗炎症薬の服用によって悪影響があったという科学的な報告はありません。

 

ではどうして、「新型コロナウィルスにイブプロフェンは避けるべき」となったのでしょうか?

実はイブプロフェンと同じ仲間である非ステロイド性抗炎症薬「アスピリン」「ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)」を発熱時に服用すると、ライ症候群(急性脳症)やインフルエンザ脳症が発症しやすいという報告があります。

そのため、小児のウィルス疾患(水痘・インフルエンザ)の患者へは非ステロイド性抗炎症薬の投与が禁忌になっています。

※佐久病院 薬剤部:「インフルエンザと解熱剤の関係について」にわかりやすく説明されているのでご参照ください。

 

インフルエンザウィルスによる発熱時の解熱剤は「アセトアミノフェン」が推奨されています。

アセトアミノフェンは、イブプロフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)と熱の下げ方が違うからです。

アセトアミノフェンは、脳の体温を調節する場所に直接作用して熱を下げます。

そのためインフルエンザによる発熱には、より安全な「アセトアミノフェン」が推奨されています。

 

新型コロナウィルスの症状も風邪やインフルエンザの症状と似ていると言われおり、発熱があった際に、自分自身で判断するのは困難です。

現在、急な発熱で病院を受診することは難しい状況でもあり、市販薬を飲まれることもあるかと思います。

発熱時には、まず十分に水分を摂って様子を見て下さい。

熱でぐったりしたりとつらい時に解熱剤を使用する時は、「アセトアミノフェン」の市販薬を飲まれるとよいでしょう。

アセトアミノフェンが入っている市販薬はこちらをご参照ください。

アセトアミノフェンが入った市販薬