こんにちは。
美里薬局の今井です。
眠剤を飲んでいるのになかなか眠れないことはありませんか?
布団に入ってもなかなか寝れないとつらいですよね。
実際に、薬局で患者さんからも
・眠剤を飲んでいても寝れない
・もっと強い睡眠剤はないのか?
という相談をよく受けます。
実は眠剤を飲んでも眠れない場合、生活習慣が不眠の原因になっていることも。
今回の記事では、厚生労働省がまとめた「睡眠障害対策 12の指針」を参考に、眠剤を飲んでも眠れない方が見直すべき生活習慣を紹介します。
寝るのが早すぎる
寝るのが早すぎませんか?
眠たくないのに眠剤を飲んでも、眠剤の効果を十分に発揮することができません。
○時になったらもう寝なくちゃと、眠たくないのに眠剤を飲んで布団に入ってもなかなか寝つけないもの。
眠気を感じてから眠剤を飲んで布団に入るようにしましょう。
とくに高齢者の場合、
・やることがとくにない
・テレビを見ていても目が疲れる
といった理由から20時頃に布団に入ってしまう方も多いです。
音楽を聞く、本を読むなどして、眠気が出るまでもう少し起きてから眠剤を服用するようにしましょう。
布団の中にいる時間が長い
布団の中にいる時間が長すぎませんか?
長時間、布団に入っていることが眠れない原因になります。
夜22時に床に就き、朝7時に起床したとすると9時間も布団の中に入っています。
布団に入っている9時間ずっと熟睡できるかと言えば、なかなか難しいのが実状です。
次の日の生活に支障がなければ、睡眠時間にこだわる必要はありません。
眠剤を飲んでも必要以上に眠れるわけではないので、眠剤を飲んでも寝れない時は、何時間布団にいるのか自身の生活を振り返ってみましょう。
昼寝をしすぎている
昨夜あまり寝れなかったからと昼寝をしすぎてませんか?
30分以上の昼寝は、夜の睡眠に影響がでるといわれています。
とくに15時以降に昼寝をしてしまうと夜眠たくなりません。
昼寝をして、夜眠たくないのに眠剤を飲んで寝ようとすることが不眠の原因に。
できるだけ昼寝をしないように日中過ごすことが大切です。
どうしても日中の眠気が強いという場合は、15時前に30分以内の昼寝にしましょう。
寝酒をしている
眠剤を飲んでも眠れないからといって寝酒をしていませんか?
アルコールには利尿作用があり、アルコールを飲むと睡眠が浅くなってしまいます。
またアルコールと眠剤の作用が重なり、ふらつきやすくなったり、寝る前や夜中の出来事を覚えていないといった一時的な記憶障害がでることもあります。
眠剤を服用している間はアルコールを控えることが重要です。
まとめ
今回は眠剤を飲んでも寝れない場合にチェックするべき生活習慣について書きました。
眠剤を飲んでも寝れないときは安易にもっと強い眠剤へと考えるのではなく、まずは生活習慣を見直してみましょう。
・寝るのが早い
・布団にいる時間が長すぎる
・昼寝をしている
・寝酒をしている
これらの生活を見直すだけでも寝つきやすくなります。
眠剤を飲んでも寝れない場合は、まずは生活習慣をチェックしてみましょう。
【睡眠障害対処12の指針】
1.睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気でこまらなければ十分
・睡眠の長い人、短い人、季節でも変化、8時間にこだわらない
・歳をとると必要な睡眠時間は短くなる2.刺激物を避け、眠る前には自分なりのリラックス法
・就床前4時間のカフェイン 摂取、就床前1時間の喫煙は避ける
・軽い読書、音楽、ぬるめの入浴、香り、筋弛緩トレーニング3.眠たくなってから床に就く、就床時刻にこだわりすぎない
・眠ろうとする意気込みが頭をさえさせ寝つきを悪くする4.同じ時刻に毎日起床
・早寝早起きでなく、早起きが早寝に通じる
・日曜に遅くまで床で過ごすと、月曜の朝がつらくなる5.光の利用でよい睡眠
・目が覚めたら日光を取り入れ、体内時計をスイッチオン
・夜は明るすぎない照明を6.規則正しい3度の食事、規則的な運動習慣
・朝食は心と体の目覚めに重要、夜食はごく軽く
・運動習慣は熟睡を促進7.昼寝をするなら、15時前の20~30分
・長い昼寝はかえってぼんやりのもと
・夕方以降の昼寝は夜の睡眠に悪影響8.眠りが浅いときは、むしろ積極的に遅寝・早起きに
・寝床で長く過ごしすぎると熟睡感が減る9.睡眠中の激しいイビキ・呼吸停止や足のぴくつき・むずむず感は要注意
・背景に睡眠の病気、専門治療が必要10.十分眠っても日中の眠気が強い時は専門医に
・長時間眠っても日中の眠気で仕事・学業に支障がある場合は専門医に相談
・車の運転に注意11.睡眠薬代わりの寝酒は不眠のもと
・睡眠薬代わりの寝酒は、深い睡眠を減らし、夜中に目覚める原因となる12.睡眠薬は医師の指示で正しく使えば安全
・一定時刻に服用し就床
・アルコールとの併用をしない引用:厚生労働省 精神・神経疾患研究委託費
「睡眠障害の診断・治療ガイドライン作成とその実証的研究班」